抗HER2療法は比較的副作用が軽い印象がありますが、いくつか重要な副作用があります。
① 心臓機能低下
もっとも注意したい副作用。
- 心臓の収縮力(駆出率:EF)が落ちる
- 多くは無症状で、検査で気づく
- 重症化すると息切れ・むくみ
- 治療を中断すれば回復することが多い
リスクが上がる条件
- アンスラサイクリン系(EC/AC)との併用
- 高齢
- もともと心疾患あり
- 高血圧
- 放射線治療の照射範囲に心臓が含まれる
心エコーでのフォロー
② インフュージョンリアクション
抗体製剤の投与中・直後に起こるアレルギー様反応。
症状
- 発熱・寒気
- かゆみ・発疹
- 呼吸困難
- 血圧低下(重症時)
特に初回投与時に多く、ステロイド・抗ヒスタミン薬で予防します。2回目以降は減ることが多い。
③ 下痢
特にペルツズマブ・ラパチニブ・ネラチニブ・ツカチニブで多い。
- 軽度〜中等度がほとんど
- ロペラミドで対症療法
- ひどければ用量調整
④ 間質性肺炎
エンハーツ(T-DXd)で特に注意したい副作用。
- 空咳・息切れ
- 早期発見・早期治療が大事
- 詳しくは No.2027 を
⑤ その他
- 皮膚症状(ラパチニブの発疹)
- 倦怠感
- 軽い吐き気(抗体だけならごく軽い)