ホルモン療法は、ホルモン陽性乳がんに対する治療の柱です。
仕組みを一言で言うと、がんの栄養源である女性ホルモンを断つ作戦。
食べる口(ER)を持っているがん細胞から、エサ(エストロゲン)を遠ざけます。
大きく分けて3つのアプローチ
ホルモンを「断つ」方法は、その人の状況によって変わります。
① エストロゲンを作らせない(閉経後)
閉経後の女性は、卵巣ではなく脂肪組織で少量のエストロゲンを作っています。この経路を止めるのがアロマターゼ阻害薬。
- レトロゾール(フェマーラ)
- アナストロゾール(アリミデックス)
- エキセメスタン(アロマシン)
② 卵巣を眠らせる(閉経前)
閉経前は卵巣が大量にエストロゲンを作っています。卵巣の働きを抑える薬がLH-RHアゴニスト。
- リュープロレリン(リュープリン)
- ゴセレリン(ゾラデックス)
注射で投与し、1ヶ月〜3ヶ月に1回。
③ 食べる口を塞ぐ(閉経前後どちらも)
エストロゲン自体は作られていても、がん細胞の「食べる口」(ER)を塞いでしまう薬。代表がタモキシフェン。
- タモキシフェン(ノルバデックス)
- フルベストラント(フェソロデックス、進行・再発時)
閉経前後で標準が違う
閉経状態と標準治療
- 閉経前:タモキシフェン単独、または + LH-RHアゴニスト
- 閉経後:アロマターゼ阻害薬(高リスクならタモキシフェンを併用)
- 進行・再発:フルベストラント+CDK4/6阻害薬など
期間:5〜10年
ホルモン療法は5〜10年の長期治療です。
- 標準は5年
- 高リスクの方は7〜10年
- 進行・再発例では効くかぎり続ける