「トロデルビという新しい薬が承認されました」
最近のニュースで、こんな話を耳にした方もいるかもしれません。この薬の標的がTROP2というタンパク質です。
TROP2は「がん細胞の表面の目印」
TROP2(トロップツー)は、多くの種類のがん細胞の表面に出ているタンパク質です。
正常な細胞にもごく少量はあるのですが、特にトリプルネガティブ乳がんや、進行したホルモン陽性乳がんで、表面に多く出ていることが知られています。
トロデルビ=「抗がん剤の宅配便」
TROP2を標的にする薬の代表が、サシツズマブ ゴビテカン(商品名:トロデルビ)です。
このタイプの薬は、
- がん細胞のTROP2にくっつく「抗体」
- 抗体に積み込まれた「抗がん剤(SN-38)」
の2つの部分でできています。
イメージは抗がん剤の宅配便。
抗体がTROP2を見つけてがん細胞にドッキングし、がん細胞の中に入り込んで、そこで初めて抗がん剤を放出します。
どんな人が対象?
トロデルビは、現在以下のような方が対象です。
トロデルビの主な対象
- 既治療の手術不能または再発のトリプルネガティブ乳がん
- 既治療のホルモン陽性HER2陰性乳がん(適応拡大)
「既治療」というのは、これまでに別の治療を受けたあと、ということ。1次・2次の標準治療を経たあとの、選択肢のひとつになります。
TROP2の検査は必要?
意外なことに、現時点の保険適用ではTROP2の発現量を測る必要はありません。
これは、ほとんどの乳がんでTROP2がある程度発現しているため、と言われています。今後、さらに対象を絞るためにTROP2のレベルを測る検査が登場するかもしれません。