「子どもに伝えるべき?」
「ショックを与えたくない」
「でも、隠しても何かを察してしまうかも……」
お子さんへの伝え方は、本当に悩むテーマです。でも、年齢に合わせて正直に伝えることが、結果的に子どもの心を守ります。この記事では、世界で使われている伝え方の原則から、年齢別の言葉かけ、伝えたあとの接し方まで、ブレきゃん流に整理していきます。
知っておきたい「3つのC」
子どもへの病気の説明では、「3つのC」を押さえておくと安心です。
子どもに伝える3つのC
- Cancer(がん):「がん」という言葉を、隠さず正しく使う
- Catch しない(うつらない):風邪のようにうつる病気ではないと伝える(子どもは意外と心配します)
- Cause(原因)ではない:あなたのせいでママ(パパ)ががんになったのではない、と伝える(子どもは自分を責めがち)
隠すと、かえって不安にさせてしまう
「小さいから、話さないほうがいい」と思うかもしれません。でも、とても幼い子でも、家で何か良くないことが起きていることは感じ取ります。
事実を知らされないと、子どもは想像をふくらませて、現実よりもっと怖いことを考えてしまったり、「自分のせいだ」と思い込んでしまうことさえあります。だからこそ、年齢に合った言葉で、正直に伝えるのがおすすめです。
年齢別の伝え方
0〜3歳
具体的な病名より、「ママ(パパ)は元気が出ないときがあるんだよ」というレベルで十分。スキンシップが何より大事です。
4〜6歳
シンプルに、こんなふうに。
「ママのおっぱいに、悪いものができちゃったの。お医者さんに治してもらうために、しばらくお薬を飲んだり、髪が抜けたりするけど、ちゃんと治すからね」
「うつらないよ」「あなたのせいじゃないよ」を、必ずセットで。
小学校低学年
もう少し詳しく。
「がんっていう病気で、体の中の悪い細胞をやっつけるために、お薬の治療をするんだ。髪が抜けたり、ママが疲れやすくなったりするけど、お医者さんが助けてくれるからね」
小学校高学年〜中高生
ある程度の事実を、本人の知りたいレベルに合わせて伝えます。
- 病気の名前
- 治療の流れ
- 学校生活への影響(参観に行けないかも、など)
- 子ども自身ができるサポート
「自分のせい」「お母さんが死んじゃう」と思い込まないよう、これからの話もセットで伝えましょう。
副作用は「お薬のせい」と前もって伝える
脱毛や、疲れやすくなる、吐き気などの副作用で親の様子が変わると、子どもは動揺します。だから、変化が起きる前に伝えておくと、心の準備ができます。
ポイントは、「病気のせい」ではなく「治療(強いお薬)のせい」だと分かるように話すこと。
「がんを治すために、ママはとても強いお薬を使うの。そのせいで髪が抜けたり、気分が悪くなったりするかもしれないけど、それはお薬のせいで、がんが悪くなったからじゃないんだよ」
「お母さんは死んじゃうの?」と聞かれたら
これはいちばん答えに困る質問です。「死なない」と約束はできませんが、そのかわりに、希望を込めて答えるのがおすすめです。
「しっかり治療して、できるだけ長く元気でいたいから、ちゃんと続けるよ。お薬で大変なときもあるかもしれないけど、頑張るからね」
完全な保証はしない、でも希望は伝える。これが軸です。
子どもにも「できること」をお願いする
子どもは、「自分も何か力になりたい」と思っていることがあります。水を持ってくる、毛布を持ってくるなど、年齢に合った簡単なお手伝いをお願いすると、「自分は役に立っている」と感じられ、安心につながります。
ただし、大人の責任(幼いきょうだいの世話や家計のことなど)まで背負わせないように。子ども本来の仕事は、学校に行って、遊んで、友だちと過ごすこと。「がんは、家族のすべてじゃないよ」と伝えてあげてください。
どんな気持ちになってもいい、と伝える
親のがんを知った子どもは、怖い・悲しい・混乱する・怒る・罪悪感を抱くなど、いろいろな反応を示します。日によって気持ちが変わるのも自然なことです。
「どんな気持ちになっても間違いじゃないよ」「話したくないときは、話さなくていいよ」と伝えておくと、子どもは安心して感情を出せます。あなた自身も気持ちが揺れていることを、正直に見せて大丈夫です。
伝えたあとも、続けて対話を
一度伝えて終わり、ではありません。
- 治療の節目ごとに、状況を伝えて更新する
- 子どもの不安に耳を傾ける
- 学校の先生など、家の外にも話せる人がいるか確認する
- 可能なら、一度は子どもを病院に連れて行く(どんな場所で治療しているか「目で見て」分かると安心します)
- ネットで誤った情報に触れていないかときどき確認し、あなたが正しい情報の発信源になる
子どもをサポートするための情報サイト Hope Tree(ホープツリー)〜パパやママががんになったら〜(外部サイト)や、子どもと一緒に読める絵本タイプの冊子も役立ちます。
子どもには、思っている以上に「察する力」があるんだ。だから「知らないほうが幸せ」より「年齢に応じて、正直に話す」ほうが、結果的に子どもの心を守ることが多いよ。
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。