「男性も乳がんになるの?」
「お父さんが乳がんって……まれですよね?」
頻度は少ないですが、男性にも乳がんがあります。乳がん患者全体の約1%が男性です。
数は少ないからこそ「自分には関係ない」と思われやすく、診断が遅れがちなのが男性乳がんの最大の問題です。
男性に乳腺がある理由
男性にも、乳輪の裏に小さな乳腺組織があります。発達はしていませんが、構造としては存在します。
ここががん化することで、男性乳がんが発生します。
男性乳がんの特徴
男性乳がんのポイント
- 60〜70代に多い(女性より発症ピークが遅い)
- ほぼすべてが浸潤性乳管癌
- ホルモン陽性が圧倒的に多い(90%以上)
- BRCA2変異との関連が強い(BRCA変異男性のリスク高)
- 乳腺組織が小さいので、しこりが早く皮膚に達する
- 診断時にステージが進んでいることが多い(受診の遅れ)
主な症状
気をつけたいサイン
- 乳輪の裏のしこり(痛みなし)
- 乳頭からの分泌物(血性のことが多い)
- 乳頭のへこみ・引きつれ
- 皮膚のただれ
- 脇の下のリンパ節腫れ
しこりが小さくても乳腺自体が小さいので、すぐに皮膚や胸壁に達することがあります。「ちょっと変だな」と思った時点で受診を。
受診のハードル
男性が乳腺外科を受診するのは、心理的なハードルが高いことがあります。
- 「男なのに乳腺?」という気恥ずかしさ
- 待合室で女性に囲まれることへの抵抗
- かかりつけ医に相談しにくい
でも、医療者の側は男性患者さんに普通に対応します。気にしすぎず、おかしいと感じたら受診してください。
治療
基本的には女性の乳がんと同じです。
- 手術:原則として全摘
- 放射線:必要に応じて
- ホルモン療法:ほとんどの方が対象(タモキシフェンが中心)
- 抗がん剤・抗HER2療法:必要に応じて
ホルモン陽性が多いので、ホルモン療法が長期にわたって治療の柱になります。