ジェルを塗ってプローブを当てるだけ、痛みなし、被ばくなし——それが乳腺エコー(超音波)です。
マンモグラフィと並ぶ乳がん検査のもうひとつの主役。ここでは、エコーで何ができるのか、何が苦手なのかを整理します。
エコーの仕組み
エコーは、人の耳には聞こえない高い音(超音波)を体に当てて、その反射の様子から体の中を画像化する検査です。
魚群探知機やコウモリと同じ原理。音は、固いものと柔らかいもので跳ね返り方が違うので、それを利用して内部の構造を見ます。
放射線は使わないので被ばくゼロ。痛みも基本的にありません。妊娠中・授乳中の方でも安心して受けられます。
エコーが得意なこと:しこりの「中身」がわかる
エコーは、しこりが見つかったときに、その中身を調べるのが得意です。
エコーで分かるしこりの中身
- 液体がたまった袋(嚢胞、のうほう):基本的に良性
- 固い組織のかたまり:良性か悪性かをさらに評価
- 形がきれい・境界がはっきり:良性っぽい
- 形がいびつ・境界がもやもや:悪性っぽい
- 内部の血流:悪性は血流が豊富なことが多い
しこりが触れた段階で、「これは液体だから心配なし」「これはちょっと精密検査をしましょう」とその場で判断できることが多いです。
エコーの限界:石灰化が苦手
エコーが苦手なのは、ごく小さな石灰化を見つけること。
マンモがレントゲンで「白い粒」として石灰化を捉えるのに対し、エコーは固い小さな粒を見るのがあまり得意ではありません。
そのため、
- 石灰化として現れる早期の乳がんは、マンモの方が見つけやすい
- 触れるしこりは、エコーの方が中身を評価しやすい
という得意分野の違いがあります。
エコーは「検査者の腕」で差が出る
エコーの大きな特徴のひとつが、検査者の技量で結果が変わること。
マンモは機械で同じように撮れますが、エコーはプローブをどう当てるか、何を観察するかで、見つけられるものが変わります。
経験豊富な技師さんや乳腺専門医がやるエコーと、研修医がやるエコーでは、見つける能力にやはり差が出ます。
ただ、これは「いつもベテランを指名できる」とは限らない現実があるので、「過去のエコー画像と比較する」「気になることは口頭で伝える」など、自分でできる工夫はあります。
エコー検査の流れ
- 検査台にあおむけになる
- 検査側の腕を頭の上に上げる
- ジェルを塗ってもらう(少しひんやり)
- プローブで乳房全体をなぞる
- 脇の下も診る
- 10〜15分程度で終了
下着は基本的に上だけ脱ぎます。スカートやズボンはそのままでOK。