腋窩郭清とリンパ浮腫

腋窩郭清(わきのリンパ節を取る手術)をした方が、いちばん気をつけたい後遺症がリンパ浮腫です。

リンパ浮腫とは

リンパ管は体の「排水管」。

わきの郭清でこの排水経路の一部が失われると、腕からリンパ液が戻りにくくなり、

  • 腕がむくむ
  • 重く感じる
  • 動かしにくい
  • 進行すると皮膚が硬くなる

という状態になります。これがリンパ浮腫。

発症のリスクと時期

リンパ浮腫の発症率

    • センチネル生検のみ:約5〜10%
    • 腋窩郭清あり:約20〜40%
    • 放射線治療と組み合わせ:さらにリスク上昇

発症の時期はいつとは限らず、手術後すぐ・数年後・10年後でも起こり得ます。

予防のコツ

日常生活で気をつけること

    • 術側の腕で重い物を持ちすぎない
    • 重労働は控えめに(庭仕事・草むしりなど)
    • ケガに気をつける(切り傷・虫刺され)
    • 感染を防ぐ(傷口に消毒)
    • 圧迫しすぎる服や時計を避ける
    • 採血・血圧測定は健側で行う(術側を避ける)
    • 飛行機の長時間フライトは弾性着衣で予防

初期の兆候を見逃さない

発症したら:治療法

① 弾性着衣(圧迫スリーブ)

腕を圧迫してリンパの流れを助ける着衣。

  • 保険適用あり(年に1回まで)
  • 専門の業者で採寸して購入
  • 日中ずっと装着するのが基本

② 用手的リンパドレナージ

専門家がマッサージでリンパの流れを促す方法。

③ 圧迫包帯

ボリュームの大きいむくみに対して。

④ スキンケア

皮膚を清潔・保湿で、感染を防ぐ。

⑤ リンパ管細静脈吻合術(LVA)

進行例で、リンパ管と静脈をつなぐ手術。

まとめ