手術を終えて帰宅された皆さん、本当にお疲れさまでした。「終わった!」とホッとする時期ですよね。
でも実は、退院してから次の外来までの間は、傷まわりのトラブルが起こりやすい時期でもあります。よくある9つと、「病院に連絡する目安」を知っておくと、いざというとき落ち着いて動けます。
なお、以下はあくまで“目安”です。あなたの病院の説明がいちばん優先なので、迷ったら遠慮なく連絡して大丈夫です。
手術直後によくあるトラブル 9選
① 胸の空間に水がたまる(漿液腫)
退院前は管(ドレーン)から出ていた“水”が、胸のすき間にたまる状態です。多くは自然に吸収されるので、少し様子を見て大丈夫なことが多いです。
連絡の目安:張りが強くて痛い/腕が動かしにくい。皮膚が真っ赤で熱を持つ(感染の疑い)。
② 縫い目やその周りが変色して膿のようになる(皮膚の壊死)
血流が一時的に悪くなり、縫い目の一部が弱る状態です。赤→黒→白っぽく、と変化することがあります。痛みは少なく、自然に治ることも多いです。
連絡の目安:白っぽい部分の下で筋肉が見える/傷が完全に開いている。赤み・腫れ・熱感(発熱を伴うことも)。
③ 傷が赤く腫れて膿む(感染)
細菌がついて炎症が起きた状態です。退院後は傷を“洗う”ことが予防に大切です(シャワーを直接かけてOK、ボディソープもOKのことが多いですが、病院の指示が最優先)。
連絡の目安:当日〜遅くとも翌日までに連絡を。
④ 手術した側の腕が動かしにくい(可動域の低下)
治る過程のつっぱりや癒着で、腕が動かしにくくなることがあります。痛みのない範囲で少しずつ動かすと、改善しやすいです。
連絡の目安:基本は不要。ただし、悪化していく・激しく痛むときは相談を。
⑤ 手術した側の腕がむくむ(リンパ浮腫)
とくにわきのリンパ節郭清をした方に起こりやすいトラブルです。左右差がはっきりすると気づきやすくなります。くわしくは No.2015 腋窩郭清とリンパ浮腫 を。
連絡の目安:腕が赤い/熱い(蜂窩織炎のことがあります)。高熱。しびれ・痛みが強い、急に悪化した。
⑥ 傷がとにかく痛い(術後の痛み)
手術のあとの痛みです。多くは鎮痛薬でコントロールできます。痛みがひどい日は、“痛くなる前に”飲んでおくと効きやすいことがあります。がまんしすぎなくて大丈夫です。
連絡の目安:痛み止めでも改善しない/日に日に悪化する/赤み・熱感・発熱を伴う。
⑦ 傷がひらく(創離開)
引っ張られたり、感染が背景にあると、縫った傷が開くことがあります。
連絡の目安:感染予防のため、当日〜翌日の日中に連絡を。
⑧ 血が止まらない/胸全体があざで腫れる(出血・血腫)
多くはありませんが、“胸の中で出血している”サインのことがあります。まずは、さらしやバスタオルなどで傷を圧迫して押さえてください。
連絡の目安:少量が服につく程度ですぐ止まるなら、多くは様子見でOK。それ以外(血が増える/止まらない/どんどん腫れる)は、夜間でも即連絡を。
⑨ ドレーンが入ったまま帰宅した方
排液(管から出る液)の色や量の変化をチェックしてください。
連絡の目安:濃くてドロドロ(トマトジュースのよう)/急に量が増えた/ドレーンが抜けた——これらは当日〜翌日の日中に連絡でOKです。
この記事はあくまで“目安”です。あなたの病院の説明がいちばん優先ですから、「これくらいで連絡していいのかな」と迷ったときこそ、遠慮なく連絡してくださいね。
まとめ
※この記事は一般的な医学情報です。実際の治療方針は、病状、検査結果、体調、価値観によって異なります。必ず主治医と相談してください。